2007年9月2日開始。いつまで続けられるかな?
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子供のころ、石ノ森章太郎の「サイボーグ009」にハマりました。
私も暗い少女時代だったせいでしょうか。暗い定めを背負った主人公たちに共感しまくり。人類のために傷つきながら戦い続けているにも関わらず、誰からもその存在を認められていないという自己犠牲の姿に共感しまくり。
石ノ森の作品にはいつもどこか哲学的な問いかけが感じられて、そういう世界感にも魅惑されて。
幼いころから難しいことを考える子だった私にとって、本当に本当に大好きな作品だったのです。
先日、家族で映画館に行ったら、予告編でサイボーグ009の新作が作られていることを知りました。その予告編を見て、鳥肌が立ちました。「これはすごい出来かも…!」という予感です。
今日、やっともろもろの用件が片付き、隙を縫うように家族でTジョイ博多に参じてまいりました。
感想…。。。。
もうね。
私の中では、ここ数年内に見た映画の中で一番、評価の高い作品です。
3DCGアニメの作品の中では、群を抜いた完成度。画面の完成度、センスのよさ。
ここはやはり、リアニメーションと公式ページで言われている手法が効果を上げたと言っていいでしょう。
端から端まで、ギャグ(笑い)に逃げず、緊張感を保ってシリアスなストーリー攻めで魅せてくれました。キャラクターデザインも、現代的に洗練されていながら、原作の魅力を失わず、本当に素晴らしい。
こんなストイックな作品は、日本アニメ界の中でも久々かも知れません。
石ノ森原作へのリスペクトに溢れ、観客に媚びず、人類を救うという使命をまっすぐに描いた1時間50分。潔し!
制作者として、こういう具合に端から端まで「ウケ」に逃げず、ストイックなまま完成させるのって本当に至難の業です。ピュアな制作者が一番苦しむ部分かも知れません。なにしろこれで商売を成功させなければ次の作品を作らせてもらえないんですから。折れずにこのストイックさを貫けたのは、石ノ森作品へのリスペクトがとても強くあったからだと思います。いいぞ神山監督とIG!大好きだー!
まったくもって蛇足ですが
ちなみにエヴァンゲリオンがこの対極にあります。
くだらない受け狙いばかりで、制作者の精神的な卑屈さ、脆弱さ、観客との馴れ合いや甘えがそのまんま作品に表れています。売れれば何でもいい、というのが透けます。
話を戻して、と。
「彼の声」(神?)に導かれ、人類の驕りを戒めるため、一度世界を破滅させることが正しいと信じる人間によってさまざまなテロが起こるという設定。これは現在の世界におきている現実でもあります。
今回、この脅威に立ち向かうサイボーグたちは「人間は救うべき価値のある存在なのか?それとも愚かさは如何ともしがたく、一度人類を滅亡させてもう一度最初から世界をやり直すほうがよいのか?」というテーマとも向き合っているわけです。
特に主人公の島村ジョーは、世界のために戦う使命を負った00ナンバーのサイボーグでありながら、自分自身も彼(神?)の声を聞き、テロをもくろんでしまったという立場にあり、「彼の声」とは何か?という謎を追うことと共に、ジョーは人間を救うのか滅ぼすのか?ということがストーリーの縦の糸となっています。
案の定、謎解きは結局あいまいなのです。しかし、こういうテーマには「こうだったんだ!」という答えを用意すると観客が考える余地がなくなり、作品の魅力が損なわれます。だからこれでいいと思います。何が正しいのか分からない、それが人間のおかれている状況の複雑さ、現実だからです。
が、そういうテーマの難しさはさておいても、一つ一つのシーンが、とにかく息を呑む迫力と美しさです。カメラ、シーン割り、音楽と音響。本当に素晴らしい。鳥肌立ちまくり、心臓バクバクで涙ぐみまくりです。
日本アニメ万歳!
本当にかっこいいアニメ!!
最近の日本アニメは、エヴァに限らず、ウケばかりを考えたあざといものばかりが目立っていました。萌え系の絵柄のものなどは特にそうです。
でも、今日、こういう作品を作ることが出来る現場が、まだ日本にはあったんだとわかり、私は本当にうれしくなりました。
個人的には100点満点ではないけど(ラストが余計な語りが多すぎ)、作品としては私の心の中の棚のナンバーワン作品の位置に収まっています。ラストまでは完璧。文句つけようがない素晴らしさ。
配役も大変よかったですね。アニメ声の声優は芝居が大げさでリアリティがありませんが、今回のジョー役:宮野真守(みやのまもる)さんは大変好感の持てる演技でした。芝居がアニメ業界に染まっておらず、大変自然でした。抑制の効いたジョーの心理描写と、クライマックスシーンの演技へのダイナミクスが見事で、見ているこちらも自然に感情を揺さぶられました。ブラボー。
音楽も素晴らしかった。この音楽と音響がなければ、これだけの緊張感とテンポを維持できません。非常にコンセプトを理解した見事な仕事をされたと思いました。どれだけ大変だったか、想像できます。
この作品、何かの世界的な賞をもらって当然というレベルだと思います。
日本が世界に誇るアニメ文化、ここに健在です。
神山監督、ありがとう!
たった6ヶ月でこれを作ったなんて信じられないけれど、本当にありがとう。
スタッフがきっと本当に優秀だったんだろうな。
PS。
ちなみに今気づきましたが、この神山監督は、私が以前一押ししていた作品、「精霊の守り人」のアニメ版の監督でした。さすがだね!
私も暗い少女時代だったせいでしょうか。暗い定めを背負った主人公たちに共感しまくり。人類のために傷つきながら戦い続けているにも関わらず、誰からもその存在を認められていないという自己犠牲の姿に共感しまくり。
石ノ森の作品にはいつもどこか哲学的な問いかけが感じられて、そういう世界感にも魅惑されて。
幼いころから難しいことを考える子だった私にとって、本当に本当に大好きな作品だったのです。
先日、家族で映画館に行ったら、予告編でサイボーグ009の新作が作られていることを知りました。その予告編を見て、鳥肌が立ちました。「これはすごい出来かも…!」という予感です。
今日、やっともろもろの用件が片付き、隙を縫うように家族でTジョイ博多に参じてまいりました。
感想…。。。。
もうね。
私の中では、ここ数年内に見た映画の中で一番、評価の高い作品です。
3DCGアニメの作品の中では、群を抜いた完成度。画面の完成度、センスのよさ。
ここはやはり、リアニメーションと公式ページで言われている手法が効果を上げたと言っていいでしょう。
端から端まで、ギャグ(笑い)に逃げず、緊張感を保ってシリアスなストーリー攻めで魅せてくれました。キャラクターデザインも、現代的に洗練されていながら、原作の魅力を失わず、本当に素晴らしい。
こんなストイックな作品は、日本アニメ界の中でも久々かも知れません。
石ノ森原作へのリスペクトに溢れ、観客に媚びず、人類を救うという使命をまっすぐに描いた1時間50分。潔し!
制作者として、こういう具合に端から端まで「ウケ」に逃げず、ストイックなまま完成させるのって本当に至難の業です。ピュアな制作者が一番苦しむ部分かも知れません。なにしろこれで商売を成功させなければ次の作品を作らせてもらえないんですから。折れずにこのストイックさを貫けたのは、石ノ森作品へのリスペクトがとても強くあったからだと思います。いいぞ神山監督とIG!大好きだー!
まったくもって蛇足ですが
ちなみにエヴァンゲリオンがこの対極にあります。
くだらない受け狙いばかりで、制作者の精神的な卑屈さ、脆弱さ、観客との馴れ合いや甘えがそのまんま作品に表れています。売れれば何でもいい、というのが透けます。
話を戻して、と。
「彼の声」(神?)に導かれ、人類の驕りを戒めるため、一度世界を破滅させることが正しいと信じる人間によってさまざまなテロが起こるという設定。これは現在の世界におきている現実でもあります。
今回、この脅威に立ち向かうサイボーグたちは「人間は救うべき価値のある存在なのか?それとも愚かさは如何ともしがたく、一度人類を滅亡させてもう一度最初から世界をやり直すほうがよいのか?」というテーマとも向き合っているわけです。
特に主人公の島村ジョーは、世界のために戦う使命を負った00ナンバーのサイボーグでありながら、自分自身も彼(神?)の声を聞き、テロをもくろんでしまったという立場にあり、「彼の声」とは何か?という謎を追うことと共に、ジョーは人間を救うのか滅ぼすのか?ということがストーリーの縦の糸となっています。
案の定、謎解きは結局あいまいなのです。しかし、こういうテーマには「こうだったんだ!」という答えを用意すると観客が考える余地がなくなり、作品の魅力が損なわれます。だからこれでいいと思います。何が正しいのか分からない、それが人間のおかれている状況の複雑さ、現実だからです。
が、そういうテーマの難しさはさておいても、一つ一つのシーンが、とにかく息を呑む迫力と美しさです。カメラ、シーン割り、音楽と音響。本当に素晴らしい。鳥肌立ちまくり、心臓バクバクで涙ぐみまくりです。
日本アニメ万歳!
本当にかっこいいアニメ!!
最近の日本アニメは、エヴァに限らず、ウケばかりを考えたあざといものばかりが目立っていました。萌え系の絵柄のものなどは特にそうです。
でも、今日、こういう作品を作ることが出来る現場が、まだ日本にはあったんだとわかり、私は本当にうれしくなりました。
個人的には100点満点ではないけど(ラストが余計な語りが多すぎ)、作品としては私の心の中の棚のナンバーワン作品の位置に収まっています。ラストまでは完璧。文句つけようがない素晴らしさ。
配役も大変よかったですね。アニメ声の声優は芝居が大げさでリアリティがありませんが、今回のジョー役:宮野真守(みやのまもる)さんは大変好感の持てる演技でした。芝居がアニメ業界に染まっておらず、大変自然でした。抑制の効いたジョーの心理描写と、クライマックスシーンの演技へのダイナミクスが見事で、見ているこちらも自然に感情を揺さぶられました。ブラボー。
音楽も素晴らしかった。この音楽と音響がなければ、これだけの緊張感とテンポを維持できません。非常にコンセプトを理解した見事な仕事をされたと思いました。どれだけ大変だったか、想像できます。
この作品、何かの世界的な賞をもらって当然というレベルだと思います。
日本が世界に誇るアニメ文化、ここに健在です。
神山監督、ありがとう!
たった6ヶ月でこれを作ったなんて信じられないけれど、本当にありがとう。
スタッフがきっと本当に優秀だったんだろうな。
PS。
ちなみに今気づきましたが、この神山監督は、私が以前一押ししていた作品、「精霊の守り人」のアニメ版の監督でした。さすがだね!
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