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2007年9月2日開始。いつまで続けられるかな?
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どういうわけか世界中で子供を食い物にする物語の主人公は
女の形をした魔物で、西洋なら魔女、日本なら鬼婆などが代表的だ。

もともと生み育む性である女が、異形になり果て、恐ろしい魔物に
なるというその過程自体が、恐ろしさをいや増しているのかもしれない。

魔女も鬼婆も、子供を好んで食らう。
子供を騙し、捕まえ、火にかけて食らう。
子供を生む性のものが子供を食らう。

私はなぜか、そこに何となく、奇妙な納得を感じる。
生むことと食らうこと、そこに生々しい性を感じる。

例えば、《食べてしまいたいほど愛しい》。
そんな表現とは、実は本当に、愛しいものを食らって、我が身の一部と
した《事実》から生まれたのではないだろうか。私はそんな風に感じる。

昔、目の開かない生まれたての子猫を拾い、苦労の甲斐あって子猫が走
り回り、服をよじ登り、じゃれたり甘えたりするまでに成長したとき、
弟はその子猫の小さな頭をすっぽり口の中に入れてしまったことがある。
何するのよ、と驚いた私に、「あまりにも可愛くて、可愛すぎて口に入
れたくなった」と弟は笑った。

案外、そんな衝動はごく普通に私たちの心の中にあるのかも知れない。

愛するものと一体になりたい、という衝動。
それは必ずしも性行為ではなく、それ以外の表現方法もあるもかもしれ
ない。そして、昔々には、本当に愛するものを食べてしまったという話
も、実話としていくつもあるのではないだろうか。

私は娘が小さかった頃、娘を体全体で包むように抱きしめた時に「ああ
もう一度、お腹の中に戻ってくれたら」と感じたことがある。
二度と一つ体にはならないが、かつて娘と私は一つの体だった。
あの頃に還りたい。そんな衝動に似た気持ちを感じたことが何度かある。

成長して私からどんどん離れていく娘を、我が身の中に取り戻したい。
そんな風な衝動だったのかもしれない。むろんそれは強烈に純粋なエゴ
であり、娘の為になることなど何もありはしない。
けれど衝動は衝動として、理性や道徳観とはまったく別に、ただ理由な
く存在する。

魔女や鬼婆は、そんなむき出しに純粋なエゴを結晶化した母親のなれの
果てなのかもしれないと、私は思う。

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