2007年9月2日開始。いつまで続けられるかな?
カレンダー
12 | 2025/01 | 02 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | |||
5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
プロフィール
HN:
MoonLeaf
性別:
女性
職業:
Peace Maker
自己紹介:
Member of MENSA International
最新記事
(10/03)
(10/29)
(09/30)
(09/27)
(09/25)
(09/22)
(09/16)
(09/14)
(09/14)
(09/13)
(09/13)
(09/04)
(08/24)
(08/20)
(08/18)
(08/12)
(07/30)
(07/27)
(07/22)
(07/02)
最古記事
(09/02)
(09/02)
(09/03)
(09/05)
(09/05)
(09/06)
(09/06)
(09/07)
(09/10)
(09/13)
(09/15)
(09/17)
(09/29)
(10/08)
(10/17)
(10/18)
(11/09)
(11/12)
(11/18)
(11/25)
ブログ内検索
アーカイブ
カウンター
アクセス解析
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
嘘をつかれた。
私は、たいていの人の嘘を許せるほうだ。
なぜなら、嘘をつくとき、人は多かれ少なかれ自分の非を感じていて、その非を責められることを恐れるために「自分の身を守ろうとして」真実ではないことをしゃべることがほとんどだからだ。
嘘だと分かっても、それをことさら指摘しない。腹も立たないし、嘘をつかねばならない事には可哀想に思う。
けれど、今日、嘘をつかれた相手に、私はとても不快な感じを持っている。
A氏から、私に出張する仕事を依頼されていた。数カ月前から何度かコンタクトし契約書を交わしていた正式な仕事だった。約束していた仕事に出向くと、A氏は数日前に会社を辞めたといわれ、依頼されていた仕事は当日にキャンセルになった。そんな事はまったく問題ではない。だれしも急に予定が変わることはあるし、転職したい衝動に駆られてやめてしまうこともあるだろう。当日キャンセルされたって、金銭的に折り合いが付くことで解決できるし、相手方の会社が払う意志がなければ些細な金額などあきらめればいいことだ。
ただ、その仕事はA氏の会社との契約を結んだ形になっていたので、A氏が辞めても契約上の責任者は会社ということになる。会社側から、事後処理のために、明日話にくるということになった。
すると、A氏から慌てたように電話が入り、会社の人が来る前に私に会いたいという。
仕方がないので、今日の昼休みを潰して、A氏のために時間を作った。
何であれ、まあ、言い訳したい事があれば聞いてあげるつもりだった。そうすればA氏は楽な気分になれるからだ。
A氏は私に会うや否や、会社から自分が冷遇されて急に追い出されたとか、知りあいからいい仕事があると紹介されたからとか、言い訳を並べ立て始めた。
私の側にはA氏が辞めた理由を聞く必要はないのだが、彼は私に弁明したいらしく、一生懸命子供や妻もある身なのでなどと、私に同情を求めてくる。
仕事のどたキャンについての言い訳も始まった。それも私にはどうでもいい事だった。別に腹も立てていないし、謝ってもらう必要もなかったが彼がそれで気が済むならと思って会ったまでだ。
私は、「お気持ちはよくわかりましたから、もう結構ですよ」と言った。
ただ、私には気掛かりがあった。彼の会社と契約し、グループワークを数回行った際に、会った人たち(彼の会社の顧客)がいた。彼らは、みんな、大切な家族と死別し、深い心の傷を負った人々だった。私は彼の会社と10年規模の長期契約をしていたので、ずっとグループワークを定期開催する予定になっていた。それで、彼らに「またお会いしましょうね」と約束していたのだった。
実際、どたキャンになった日にも、以前会った人が来ていたという事だった。
「私がお会いした方々、その方々に、私の仕事があなたの元会社では無くなったという事をきちんとご案内して上げてください。私は彼らにまた会いましょうと約束しています。心を開いた状態でした約束は守られなければなりません。はがきでも結構ですから、その顧客には、連絡をして下さいね」とA氏に要求した。
A氏は、「わかりました。会社に話して私の元部下にはがきを書くように言います」と言った。「それでははがきを出すかどうかを、部下の責任にするということになります。私はそれでは納得しません」と返した。
「わかりました。私が必ず、はがきを出すとお約束します」とまじめな表情で、真剣に約束すると言った。
私には それが嘘だと分かった。
過去の行為を隠そうとして嘘をつくのは、ほぼすべてが保身の為なので、私はさして腹が立たない。
しかし、未来、自分がするつもりもない事を、さも真剣に、行うと嘘をつくことは、許しがたいのだった。
それを「騙す」という。
残念ながら、私に彼に騙されるほど隙がなかった。
彼が未来に、はがきを出さないことは分かってしまった。
騙されてしまえば楽なのだが。
つくづく、つまらない人間に関わってしまったと残念に思った。
誠実な人間風の演技、情熱的な人間風の演技、優しい人間風の演技、A氏はあらゆる演技を身に付けた「営業畑」の垢にまみれた人間だった。
彼のふるまいは目の前の人間を丸め込む為に磨き上げられた技術だ。
そしておそらく、自分が演じていることすら、もはや分からなくなっているだろう。自分がした未来への約束を、自分が果たさないだろうという事すらも、自覚がほとんどないだろう。
彼の真実の情熱や、誠意や、愛は、偽物の中に埋没して、本人にもわからないほど垢にまみれているだろう。
この人は、私を騙すつもりなく、そして自分自身さえも欺くつもりなく、常にすべてを欺いて生きている。
今は、彼を気の毒だと思う。
口を真一文字に結び、キッとした視線で一礼する、そんな真剣な表情で、私と交した約束を、彼は、やすやすと忘れるだろう。
怒りは消え、静かな悲しみを感じる。
未来に対して嘘をつかない事は 誠実さにつながっている。
そしてその積み重ねは その人の精神の高潔さを育てる。
気の毒なA氏に 平安があるように。
真実の自分を求める瞬間が 彼に訪れるように。
私は、たいていの人の嘘を許せるほうだ。
なぜなら、嘘をつくとき、人は多かれ少なかれ自分の非を感じていて、その非を責められることを恐れるために「自分の身を守ろうとして」真実ではないことをしゃべることがほとんどだからだ。
嘘だと分かっても、それをことさら指摘しない。腹も立たないし、嘘をつかねばならない事には可哀想に思う。
けれど、今日、嘘をつかれた相手に、私はとても不快な感じを持っている。
A氏から、私に出張する仕事を依頼されていた。数カ月前から何度かコンタクトし契約書を交わしていた正式な仕事だった。約束していた仕事に出向くと、A氏は数日前に会社を辞めたといわれ、依頼されていた仕事は当日にキャンセルになった。そんな事はまったく問題ではない。だれしも急に予定が変わることはあるし、転職したい衝動に駆られてやめてしまうこともあるだろう。当日キャンセルされたって、金銭的に折り合いが付くことで解決できるし、相手方の会社が払う意志がなければ些細な金額などあきらめればいいことだ。
ただ、その仕事はA氏の会社との契約を結んだ形になっていたので、A氏が辞めても契約上の責任者は会社ということになる。会社側から、事後処理のために、明日話にくるということになった。
すると、A氏から慌てたように電話が入り、会社の人が来る前に私に会いたいという。
仕方がないので、今日の昼休みを潰して、A氏のために時間を作った。
何であれ、まあ、言い訳したい事があれば聞いてあげるつもりだった。そうすればA氏は楽な気分になれるからだ。
A氏は私に会うや否や、会社から自分が冷遇されて急に追い出されたとか、知りあいからいい仕事があると紹介されたからとか、言い訳を並べ立て始めた。
私の側にはA氏が辞めた理由を聞く必要はないのだが、彼は私に弁明したいらしく、一生懸命子供や妻もある身なのでなどと、私に同情を求めてくる。
仕事のどたキャンについての言い訳も始まった。それも私にはどうでもいい事だった。別に腹も立てていないし、謝ってもらう必要もなかったが彼がそれで気が済むならと思って会ったまでだ。
私は、「お気持ちはよくわかりましたから、もう結構ですよ」と言った。
ただ、私には気掛かりがあった。彼の会社と契約し、グループワークを数回行った際に、会った人たち(彼の会社の顧客)がいた。彼らは、みんな、大切な家族と死別し、深い心の傷を負った人々だった。私は彼の会社と10年規模の長期契約をしていたので、ずっとグループワークを定期開催する予定になっていた。それで、彼らに「またお会いしましょうね」と約束していたのだった。
実際、どたキャンになった日にも、以前会った人が来ていたという事だった。
「私がお会いした方々、その方々に、私の仕事があなたの元会社では無くなったという事をきちんとご案内して上げてください。私は彼らにまた会いましょうと約束しています。心を開いた状態でした約束は守られなければなりません。はがきでも結構ですから、その顧客には、連絡をして下さいね」とA氏に要求した。
A氏は、「わかりました。会社に話して私の元部下にはがきを書くように言います」と言った。「それでははがきを出すかどうかを、部下の責任にするということになります。私はそれでは納得しません」と返した。
「わかりました。私が必ず、はがきを出すとお約束します」とまじめな表情で、真剣に約束すると言った。
私には それが嘘だと分かった。
過去の行為を隠そうとして嘘をつくのは、ほぼすべてが保身の為なので、私はさして腹が立たない。
しかし、未来、自分がするつもりもない事を、さも真剣に、行うと嘘をつくことは、許しがたいのだった。
それを「騙す」という。
残念ながら、私に彼に騙されるほど隙がなかった。
彼が未来に、はがきを出さないことは分かってしまった。
騙されてしまえば楽なのだが。
つくづく、つまらない人間に関わってしまったと残念に思った。
誠実な人間風の演技、情熱的な人間風の演技、優しい人間風の演技、A氏はあらゆる演技を身に付けた「営業畑」の垢にまみれた人間だった。
彼のふるまいは目の前の人間を丸め込む為に磨き上げられた技術だ。
そしておそらく、自分が演じていることすら、もはや分からなくなっているだろう。自分がした未来への約束を、自分が果たさないだろうという事すらも、自覚がほとんどないだろう。
彼の真実の情熱や、誠意や、愛は、偽物の中に埋没して、本人にもわからないほど垢にまみれているだろう。
この人は、私を騙すつもりなく、そして自分自身さえも欺くつもりなく、常にすべてを欺いて生きている。
今は、彼を気の毒だと思う。
口を真一文字に結び、キッとした視線で一礼する、そんな真剣な表情で、私と交した約束を、彼は、やすやすと忘れるだろう。
怒りは消え、静かな悲しみを感じる。
未来に対して嘘をつかない事は 誠実さにつながっている。
そしてその積み重ねは その人の精神の高潔さを育てる。
気の毒なA氏に 平安があるように。
真実の自分を求める瞬間が 彼に訪れるように。
PR
この記事にコメントする