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2007年9月2日開始。いつまで続けられるかな?
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久しぶりに 読みごたえのある小説に出会った。

ハリーポッターを卒業した読者へ贈るー という帯が華々しい、
「風の名前 キングキラークロニクル」という三部作だ。

上中下の三部になっていて、文量も充分。
1年前に手に入れて、ずっと読む暇が無く、本棚の肥やしになっ
ていたものだ。

上巻の最初、1/4くらいまでは、正直読み進めるのがおっくう
な感じ。展開はもたつき、何かもってまわった感のある序文だ。
まるで、後から書き加えたかのよう。テンポ感が、それ以降の素
晴らしさとはまったく違っている。勢いがなく、素人くさい。

しかしそこさえ我慢して通り過ぎれば、いきなりその文は輝きを
放ち、魔法の世界へと連れ去られてしまう。これは作者が序文と
は別の人物なのではないかと疑いたくなるほどだ。

ファンタジー小説を読み慣れている人にも必ず満足の行く作品だ
と太鼓判を押したい。

内容は秘密だが、圧倒的な表現力が、上巻の序盤を終えた処から
いきなり出現する。それまでのもたつきが、理解出来ないほど、
そこからの物語のダイナミックな展開。
そして何よりも、文章の輝きも桁違いになる。

なまくらだった刀身が、魔法にかかってミスリル銀に変わり、光
り輝き闇を照らすかのように。

いろんな小説を読んできたけれど、ここまで人物の描写が巧みな
ものは見たことがない。人物の輪郭を描き出すその精度は緻密、
かつ極彩の色を放つがごとき華麗さ。

こんなに華やかな文章は初めて目にした。
そしてそれが嫌みではないのは、主人公の苦難に満ちた人生の重
みによる。

細切れの時間を縫うようにして、中巻、下巻へと一気に読み進め
ることが出来たのは、この作品の魅力があればこそ。
そうでなければ私にフィクションを読む時間があるはずもない。

私は、「初めて体験した」というものに強く反応を起こす。
これほど感銘を受ける文章には、これまで出会っていない。

この作品との出会いは、私の作家魂に明らかに火を付けてしまっ
た。書くという事に新しいインスパイアを与えてくれた、素晴ら
しい作品に、乾杯したい。
この作品には、重厚なフルボディの赤ワインが似合う。

ああ、誰かがこの作品を読んで、一緒に赤ワインを飲みながら語
り合ってくれないかな。
気長に待とう。

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