忍者ブログ
Admin / Write / Res
2007年9月2日開始。いつまで続けられるかな?
カレンダー
09 2024/10 11
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
プロフィール
HN:
MoonLeaf
性別:
女性
職業:
Peace Maker
自己紹介:
Member of MENSA International
最新CM
[04/21 ボーズ]
ブログ内検索
アーカイブ
バーコード
フリーエリア
忍者アド
カウンター
アクセス解析
[527]  [526]  [525]  [524]  [523]  [522]  [521]  [520]  [519]  [518]  [517
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

佐賀県小城市役所からの依頼で自殺予防の講演。

事前申し込みは10名くらいと聞いていたので、ガラガラなんだろうなと
思いながら会場入りすると、予想に反して50名ほどの人が席をみっちり
と埋めていて、少し驚いた。

佐賀県は自殺率が全国でも10番目で、九州ではトップなのだ。
世界的に見れば、日本の自殺率は2010年WHOの最新調査で世界第6位。
自殺率が高い国々は、国内が内戦状態で、殺したり殺されたりという荒廃
し安定していない社会構造の国々ばかり。そのなかに6位の日本と5位の
ハンバリーが入っているのは非常に奇異に見える。

中でも日本は皆保険、皆年金といった高度な社会システムを実現し、経済
的にも最高水準の国、戦争、内戦のような究極の混乱とは真逆でありなが
ら自殺率の高さである。
これは明らかに異様な結果と言わざるを得ない。

日本自殺率一位の秋田県は、世界一の自殺率のベラルーシ以上の自殺率で
あり、10位佐賀、13位福岡の自殺率は世界第4位のカザフスタンを超
える。

これがどれほど異常な状態であるか。
02年8月に横浜市で開かれた、第12回世界精神医学会(WPA)の推計に
よれば日本は実質自殺率世界1位とされた。

日本人の自殺には、海外諸国とは明らかに違う特徴がある。
日本以外の国での自殺率は、年齢が高くなるにつれ上がる。グラフは10
代、20代、30代とわずかずつ上昇し、75歳くらいから急激に増加する。
つまり、高齢になり、健康問題に苦しみ、将来への希望をもてなくなり、
自殺する人が増えるのが、世界的に普通のパターンなのである。

それにたいして、日本の自殺率グラフは、50代がピークとなるという極
めて特異的なラインを描く。

50代。
子供たちは独立し結婚し、それぞれの人生を築いているころだろう。
親という役割を終え、いよいよ自分の人生を豊かに実らせるころ。まだ体
も衰え切ってはおらず、余暇にできることも多く残されていることだろう。

何故日本人は、その頃に自殺するのか。
厚生労働省や学者の分析によれば、自殺する人の二大理由は、病苦と経済
問題である。しかしそれが何故50代なのかの理由にはなっていないと感
じる。

健康問題が理由ならば、50代より70代、80代の方が高いのが当然だ。
30代40代と、50代の健康問題発生率にそれほど大きな開きがあると
は思えない。

経済問題が理由だというが、それならば経済破綻寸前のギリシアはどうな
るのか。ギリシアの自殺率は、日本の7分の1以下だ。日本が世界6位に
たいして、ギリシアは世界80位なのだ。

私は、経済問題、健康問題で死ぬのはやはり高齢者だと思う。
高齢者の自殺はある意味、人生の終末を感じ取った人が、自らの人生をど
こで締めくくるかという決意でもあり、残念なことだが自殺率が高いのは
自然なことと思う。
しかし、それよりずっと若い人々が数多く死ぬのは、メンタルの問題、自
己肯定感の問題だと確信している。人生を締めくくるには早過ぎる年齢で
あるにも関わらず、自分から死を選ぶというのは、自分の命を自ら軽視し
ているからに他ならないのではないか。
どこかで、自分の価値を喪失したと感じ、社会には自分は要らない人間な
のだと絶望してしまったのではないのか。

もう死んじゃおうかな、と言ったときに、「えっ本当に?」と真顔で聞い
てくれる人がほとんど居ない日本。
「あはは、もう冗談ばっかり」「なに馬鹿なこと言ってるのよ」「まあ、
みんなそうよ」と、その場を誤魔化し、小さな声でやっとつぶやいた苦し
みの声を黙殺してしまう国民、日本人。

そんな対応をされて、「私の死は、たいしたことではない」と思うのだ。

だから講演の一番最後に、
だれかが冗談めかしてであれ、自分の死について話したら、必ず真顔で
「本当に死にそうですか」とまっすぐに訊ねて下さい、と訴えた。
相手はびっくりして、「いや、冗談だよー」とその場をごまかすかも知れ
ない。けれど、きっと心にこう残っている。

(私が死にたいといったら、真顔で真剣に、聞いてくれた人がいた)と。
それがその人をこの社会につなぐ細い糸の一本になる。
社会との信頼の糸。
少なくとも一人、私の死を見過ごすまいとした人がいた、と。


そうして、「死」についてまっすぐに向き合ってくれる人が多くなるほ
ど、必ず自殺率は低下する。
私はそう信じている。





拍手[3回]

PR
この記事にコメントする
Name
Title
Color
Mail
URL
Comment
Password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (管理人にのみ表示)
Copyright ©  I realize it when I through it All Rights Reserved.
* material by Pearl Box   * Template by tsukika

忍者ブログ [PR]