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2007年9月2日開始。いつまで続けられるかな?
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「今度 ●●に行きましょう。ご案内します」
「今度一緒に●●を食べに行きましょう」
「今度こういう事をやります。是非参加して下さいね。」

いつも明るい笑顔でそんな事を言う以前からの知り合いがいる。
明るい笑顔と、「今度」で始まる未来の約束の言葉でその人との関係はうまく行っていると感じられる。

けれどふと現実を振り返る。
この人の「今度」で実現したことはいくつあったろうか?
驚くことにほとんどないと気付く。
ご案内するとまで言ってくれた場所に、この日ご案内しますという誘いは来ない。
一緒に食べに行こうと言っていたものの話はそれきり出ない。
参加して下さいと言われた催しの日時の知らせは来ない。

私は何度この人の「今度」を信じただろう。
この人の「今度」で本当になった事はひとつもないと気付き、また再会する。

「今度 こういう事を一緒にやりましょうね」
明るい笑顔、曇りを感じさせない言葉。

誰でも話が盛り上がったら、その話ついでに「今度〜しましょう」と言うことはあるだろう。
でもその場合の「今度」は、願望の意味で「こうなるといいなあ」ということだ。私だってそのニュアンスはきちんと掴めるし、それを読み取ったら、「約束」だとは思わない。

でもこの人の「今度」は明確な意志、未来にきっと実現しようという約束に感じさせる。
「うんそうね。やりましょう」
愚かな私は笑って、また信じてしまう。
そして本当に長い時間信じ続ける。
長い長い時間が経ってからふと「あれどうなったんだろう」と気付く。

この人は「自覚のない嘘つき」なのだろうか。
言葉になんの責任も負っていない、言葉の軽い人なのだろうか。

本物でないものを本物だと思わされる事を「騙される」と言う。
私は騙されてばかりだ。
一度騙された同じ相手から、何度でも騙される。
それをいつも夫に呆れられている。「懲りないね」と。

何度でも信じるのは何故なのかと言えば、自分にとっては約束は守られて当然すぎることだからだ。
相手がそれを簡単に反故にする事の方が信じられないのだ。

その人の顔を見ながら考える。
前回までにこの人は私に何度「今度」と言っただろうか。
そのどれも実行していない事をこの人は覚えているのだろうか。

目の前の笑顔。
その笑顔の意味を考える。
私がこの人なら。これだけの数の約束を保留にしていてこんな笑顔が出来るだろうか。私なら出来ない。相手に未来をいくつも約束していながら、それを一つも叶えないままでいる事を忘れられるだろうか。私なら出来ない。

そしてまた目の前に笑顔。
「今度、これをやりますね。」
曇りのない笑顔。疑う余地のない約束の言葉。

ああ。
この人の「今度」なんて永久に来ない。
これは巧妙過ぎる嘘なのだ。
この人は自覚している。
私がこの人を決して追求しない事を確信している。
「あなたの今度っていつ?」「この間言ってたこと、どうなった?」
私がそれを追求しない人間だと、この人は悟っているのだ。
この人にとって私は非常にたやすく扱える羊のような存在なのだ。
そうだったのだ。

この人は忘れているのではない。
明確に、計算で、私をつなぎ止めるテクニックとしてこれをしているのだ。
だから一度した約束のことを絶対に二度口に出さない。
本当に「今度するつもり」ならそれをまた話すだろう。
一度口にした約束は、巧妙に、精密に、避けて触れないようにしている。
相手が思い出すことがないように。なかった事に出来るように。

「ねえ、今度〜するっていってたでしょう」ともし私がたずねてもこの人は「そうなるといいなって意味ですよ」と言い返せる。巧妙なのだ。私が勝手に約束したと思い込んだだけ、そう扱えるような言葉を使っている。ニュアンスは願望ではなかった。明確に約束のニュアンスを含んでいたのに、後になって「なかったこと」に出来るようになっている。

笑顔と、明るい未来を感じさせる言葉。
身を守り状況を変える為の武器。生き抜く為の道具。
相手をなだめ、安心させ、味方に付けるための最大の技術。
笑顔も言葉も、私を逃がさないため、支配するためのテクニックなのだ。

騙しているというよりは 操っている。
相手が怒ったり、追求したりしないと分かっていてこういうやり方を、選択している。
私はこのやり方をする人にとって この上なく上等のカモなのだ。

心底 人間の薄暗さを感じた。
私が求めている世界の 正反対側にこの人は居る。

この人の言葉と笑顔は 美しく澄んでいるようで毒が入っている。
ゆっくりと確実に蝕む 無味無臭のヒ素のように。
透明でキラキラした清い水に見えて 毒水なのだ。

本人は自分のしている事をいけない事だとこれっぽっちも思っていないだろう。
本能的に、そして経験的にそれを体得してしまっているのだから。
「いつも人が離れていくんですよね。どうしてかわからないけど」
と言っていたっけ。その言葉に、私と同じなのかなと同情した。

けれど理由は今 はっきり分かる。
この人から人が離れるのは 私が孤独なのとは全く違う理由なのだ。
対極にいるこの人と関わることはもうないかも知れないが この人の為にも祈り続けよう。
この人も おそらく孤独に苦しんでいるはず。
人に継続的に愛されないと思い知るのは辛いだろう。
それを思うと 自分の受けた仕打ちよりも この人が可哀相に思う。

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