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半年ほど前に映画館でやっていたディズニーアニメの「ボルト」。
レンタルでも準新作に落ちてきました。
さらにクーポンで半額になり、140円で借りられました。安っ。

ゲームの仕事と映画の仕事は同じくエンタテインメント産業なので
似ている面が多く、世界の流行や最新技術をリサーチする為にもこ
の20年、常にチェックしています。もう技術者じゃないのに、何
故か研究は怠らない私と坂本(笑)。
ボルトはディズニーアニメーションのCG部門初の作品だったし、
上映では3Dものだったし、イヌの話なので娘が喜ぶはずと思って
目をつけてた作品です。
せっかく3Dなら本当は映画館で見たかったけど、家族全員でご飯
を食べながら映画鑑賞。

率直に言って、私は、映画産業に一言言いたいとずっと思っていま
した。それは「イヌ」を扱った作品で、満足の行く出来のものが無
い!
ということ。

私は前世のどこかでは自分は犬だったんだと確信するほど、イヌ好
きですが、映画でイヌを扱うと、いつも人間の勝手な解釈で本当の
イヌの考えや気持ちが歪められてしまっていると感じます。
実写ならイヌがトレーナーの指示で演技させられていることが丸分
かりで白けるし、アニメなら人間の思い込みで白けるし。

イヌはそんなこと考えないぞ!ということが多いのです。

ところが。
この「ボルト」は非常によく出来ています。
まず何といっても、ストーリーと設定に無駄がない。無理がない。
イヌという動物の性質と可愛さを、非常によく理解している。

この作品に抜擢されたのはクリス・ウィリアムズ監督、バイロン・
ハワード監督の若い二人で、これが彼らにとって初の監督作品で
す。彼らは動物の描写に優れた感性を持ち、アメリカのアニメーシ
ョン界の動物描写を何段階も引き上げた人として名が通っているよ
うです。
二人が来日した時のインタビューで、これを表した言葉が残されて
いました。

パイロン
「従来の映画では、犬のキャラクタは、まるで皮を着た人間のよう
に見えていました。我々はそれを避け、忠実に犬の性質を再現した
いと思ったんです。そのため、動きを忠実に再現することはもちろ
ん、飼い主への忠誠心や愛着といった内面的な部分も描いていきま
した。」

そう。ボルトは、本当に「イヌ」なのです。
あの動き、しぐさ、表情。シーンの一つ一つに、イヌという動物へ
の理解の深さがあふれ出ています。この映画の映像の美しさは、動
物への愛に溢れています。

例えば、ボルトの耳。ボルトの後ろに月明かりや昼間の外の明かり
があるカットがあります。この時、ボルトの耳に、光が少し透けて
いるのです。イヌの耳に光が透けるということに気付く人は、イヌ
を飼っている人ですら、全員ではありません。
ボルトの毛色は白なので、光はより透けやすく、耳の中に流れる血
でうっすらピンクになるのですが、光に透けた耳の可愛らしいこと、
そしてその姿の美しいこと。

イヌの耳が光で少し透けているという部分に気付く人はほとんどい
ないかもしれませんが、CG作品でそれを実現するのは簡単ではあり
ません。光が透ける映像を作るには、その透けているイメージをデ
ザイナーが最初に頭に思い浮かべている必要があります。デザイナ
ーが、「この時、イヌの耳って光が透けるんだよね」とイメージし
ているからこそ、コンピュータで映像を作る作業中に、耳の部分に
後ろの光を透かすという計算をさせるよう設定して行きます。

ガラスやレースならどんなデザイナーだって光を透かすように設定
します。しかしイヌの耳。イヌを本当によく観察している人でなけ
れば、これは思いつけません。

もう一つは、ボルトが貨車に揺られて、開口部に座り、外の美しい
景色を眺めているシーン。そのボルトとネコとハムスターの3匹を、
カメラは後ろ姿から捉えています。美しい風景の中に座る、3匹の
背中。このシーンは、ポスターにしたいくらいきれいです。そして
その背中は、イヌが風に吹かれるのを楽しんでいる、静かな喜びが
表現されています。3匹はそれぞれ、ありのままで受け入れ合う仲
間。このうえなく、平和なシーンです。

本当のイヌ好きなら、ボルトのセリフはまったく無くてもその体の
しぐさで全部分かってしまうほど、リアルな動きをしています。
イヌって、本当にこれをやるよね!という喜びで一杯になりました。

アメリカの大自然を実写かと見間違えるほど美しく描き込んでいま
す。あらゆるシーンが緻密で、本当に素晴らしいの一言です。
冒頭では最新のアクション映画顔負けのスリリングかつ、緻密なア
クションシーンが10分ほど続きます。このアクションがまた、カ
メラワーク、映像効果など、心憎いほど出来がいい。

笑いと、涙。ディズニーの映画哲学を踏襲した作品です。
是非見て下さい。時間を無駄にしたとは思わないはずです。
アバターにも感動しましたがあれはストーリーに感動。
このボルトは、イヌの描写に感動です。95点!

3匹の動物が、アメリカ大陸を横断するという設定は、1963年
のディズニー映画「三匹荒野を行く」そのリメイク版1993年
「奇跡の旅」と同じです。
こちらも是非見て欲しいですね。実話を元にした感動作です。

おまけ。
「ハト」の動きも、ものすごい出来栄えです。
目を奪われました。本当に、「ハト」を理解してます。

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