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2007年9月2日開始。いつまで続けられるかな?
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今日、鳥栖の傾聴講習会が最終回だった。

この7月は本当に様々な出来事が起きて、私は公私共に忙殺され心労も重なっていた訳だけれども、
一つ奇蹟と思える事がある。

老犬のチャムが、1週間前、まったく食事をとらなくなった。丸二日食事をとらず、起き上がる事も出来ず、水も寝ている口の脇からたらしてあげる水滴を舐めるという、もうどうみても危篤と言えるほどの状態になった。

水も十分に摂れないとあっては、どんなほ乳類も数日以内に死んでしまう。
私もさすがに、チャムとの別れは3日以内と覚悟した。

そして、16年の長いつき合いの最後を、本当に後悔のないものにしようと思って、身動きの出来ないチャムを抱いて自分の部屋に連れてきた。水を飲ませ、排泄物の処理をし、体を寝返りしてやり、マッサージし、拭いてやり、夜中も1時間おきに起きて世話をするという完全介護の状態に入った。
音が聞こえないチャムだからこそ、たくさん触れて、抱きしめて、昔私の愛情を独り占めしていた若い頃のチャムの感覚を体から思い出してもらおうと思った。

そうして、食べないまま丸二日。
私もどうしたら少しでも食べるのかと、いろいろと調理方法や切り方など工夫を重ねていた。

そして唐突に、ある作り方をしたご飯を、チャムが、食べた。
必死に、そして本当に餓えを満たす事しか考えていないかのように、元気だった頃の1、5倍ほどの量のご飯を一気に、がつがつと食べた。

それを境に、チャムは私が食べさせた時だけ、がつがつとご飯を食べるようになった。
私が飲ませる時だけ、水を飲むようになった。
そして、さらに2日。
数週間寝たきりだったチャムが、立ち上がった。よろよろと、下半身を支える介助が必要だけれども、それでも目を輝かせ、立ち上がって、部屋の中を10数歩、歩いた。

もう死ぬばかりの状況にまで行ったチャム。
もう二度と、立ち上がる事はないと思っていたチャムが。
介護に応えてくれるように、元気を取り戻した。

まだ、すい臓はひどく腫れている。運動していないので便秘にも苦しんでいるし、全身の状態は確実に老衰によって悪化しているが、それでもまだまだ、生き続ける!と言ってくれている。

目の前で、奇蹟が起きている。
毎日、仕事で目を離した隙に、チャムが死んでいたらどうしようと、胸にサイダーを流し込まれているように滲みる感覚がなくなる事がなかったが、今日鳥栖から帰っても、チャムは待って居てくれた。

独りぼっちで逝かないで欲しい。
私が駆けつけ、最後の一息まで一緒に居られるように、どうか待っていて欲しい。
チャムは私のその願いに応えようと、一生懸命に生き続けようとしてくれている。

私もずっと寝不足が続いているけれど、でも、チャムと私は、最後のゴールテープを切る瞬間まで、一緒に走り抜けようとしている。


チャム。ありがとう、チャム。
やっぱりお前ってサイコーだ。

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