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2007年9月2日開始。いつまで続けられるかな?
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私と似たような仕事をしている人とぶっちゃけトークをした。

その人も多くの人の悩みや相談事を聴くのが仕事なのだけれど、同じ相談者
が何度もやってきて、同じような話をするとうんざりするのだそうだ。
最初こそ気の毒で共感して一緒に泣いたりもするけれど 何度も同じ話をし
にくる相手が段々重くなるという。
「いつまで同じこと言ってるのよ。だから何だって言うの。しょうがないじ
ゃない、もう済んだことでしょ。」
そう言いたくなるのだそうだ。

もちろんそんな風に思っていることは見せないけれど、用事を作ってその人
を避けたり口実を作って予約を断ったりするようになるという。

へえ…そんな風になっちゃうんだ…と少々驚く。
何故ならその人は、相談を受ける仕事を30年以上続けている大ベテランだ
からだ。
30年も続けているのに、相手の話が嫌になるというのは、びっくりだ。
私だったら、そんな風に嫌なことは30年も続けられない。

話を聞く仕事をしていたら相手を受け止める事が上手になる機会もたくさん
あっただろうにと思う。
逆に30年やってると嫌になるというのも驚くけれど、そんなに嫌なことを
30年も続けられるという、その忍耐力にも驚く。

私は、その人に言った。
「あなたの処に何度も来て、わざわざ同じ話をするんだから、きっとよほど
上手に聴いてあげているんだと思いますよ。だから信頼されて、この人なら
わかってくれると思って話に来ているんじゃないでしょうかねえ」
その人はこう言った。
「まあね。でも相手はそうでも、私は人生をくよくよぐちぐち言うのは大嫌
い。夫がこうだったとか、親がこうだったとか。そんなもん、今更どうにも
ならないわよ。人間、前を向いて生きるしかないのよ」

でもそれを言ったら相手は何も言えなくなる。
過去を清算出来て、前を向いて進める人はいいけれど、どうしても過去が重
くてそのままでは先に進めない人もたくさんいる。過去にとらわれている人
には、過去を思う存分語る必要がある。

私はどちらかと言えば過去を清算出来ないたちだ。
過去が鮮明に記憶されていて忘れることも薄めることも出来ない。
だから何度でも同じシーン、同じトラウマに苦しめられるし、その苦しみを
抱えきれない時には誰かに聴いてもらいたい。
誰でもわかってくれる話だとは思わないけれど、この人は分かってくれそう
と思ったら話してみたい。

だから私は相手の同じ話が何度でも聴けるのかもしれない。
その人は、自分の過去を全部「しょうがない。済んだこと」と割り切って一
生懸命に生きてきたそうだ。そうしないと子供を育て上げることが出来なか
ったと話してくれた。
そういう人だから、過去にとらわれている人を見るといらいらしてしまうの
かも知れない。
その人のありようが、聴く時にもあらわれるという事なのか。

私のクライエントさんは、同じ話、同じ症状を何度でも私の処に持ってくる。
私はそれをみて「まだ同じこと話すの」とはまったく思わない。
何度でも、その人の過去の清算や整理を手伝うのが役目だと思うし、それが
相手にとって必要な助けなのだと思う。
ワークにならない人もいる。
だけどその人は、ただただ、私に話を聴いて欲しいのだ。
どこにも持っていけない自分の思いを、私の所に持ってきて、やっと荷解き
しているのだ。

長年人の話を聴く仕事をしていても、心から聴けるようにはならないとした
ら何が足りないのだろうか。

私は傾聴技術を人に教えていて、実は傾聴とは自己成長を必要とする試練で
もあると思っている。技術で聴くのではなく、本当にその人に寄りそう時に、
自分の問題が障害になる。だから自分の問題をクリアし、自己成長しないと
傾聴出来ない場面にも出会う。

相手に寄り添えない自分のまま、傾聴するのは苦痛だしやがて出来なくなる。
だから傾聴するには、自己成長が必要になる。
自分の問題に焦点を当て、それを受け止め、相手に投影するのをやめる。
相手の人生を自分と切り離し、相手の成長や喜びを願う。
そのプロセスは自分のエゴとの闘いでもある。エゴを越えた人類愛を相手に
向ける時、その人がどうであれそれを受け止め直視することが出来るからだ。

自分の過去を清算出来ない、繊細な人、弱い人ほど、傾聴者に向いているの
かも知れない、と思った。
そして繊細な人、弱い人にしか、救うことの出来ない人がいると思う。

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